SAP 2027年問題に伴うBI検討 ~2年延長をチャンスに変えよう~(vol.15)

2021.2.23

SAP ERP (ECC 6.0 )のサポート終了が2025年から2027年に延長されました。
2025年問題」改め「2027年問題」に対し、SAP ERPユーザの情報システム部門は取り組むべきことが山積みで悩まれていると思います。

本ブログでは、やるべきことと優先度を考えたときに検討を後回しにしがちなBI(ビジネスインテリジェンス)について、将来的なデータ利活用とビジネスの最適化のために、2年延長の今、SAP S/4HANA移行より先に検討することをおすすめしたい理由を解説いたします。

SAP 2027年問題 何から始める?

SAP ERPのサポート終了が2025年から2年延長されました。
この2年という期間は長いと感じるでしょうか、それとも短いと感じるでしょうか?

SAP S/4HANA
への移行に向けて情報システム部門の担当者が検討し、決定しなければならないことは数多くあります。
SAP移行方式(グリーンフィールド・ブラウンフィールド・選択的データ移行)について、どれが自社に適切かを検証することや、いつどのタイミングで移行を実施するか、ダウンタイムはどのくらい必要か、費用はいくらかかって、それをどのように社内に上申するか。2年だけの延長ではとても時間が足りないと思われる方もいらっしゃるでしょう。

さらに、SAP S/4HANA移行のような大規模なIT投資に対して社内の予算を検討する際には「費用対効果」も必ず議題に上がることかと思います。
SAP S/4HANA移行のみでの費用対効果を説明することはなかなか難しいため、同じタイミングでDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むことを考えたり、周辺システムの見直しを行ったり、BI導入による効果を含めた検討を行ったり、など考えれば考えるほどやるべきことは増えていくのではないでしょうか。

増えてゆく検討事項について優先順位を付けていく際、DXの取り組みや周辺システム・BIの導入は急がず、とりあえずSAP S/4HANAへの切り替えが完了した後に考えよう、という結論になることもあるかと思います。

2027年問題対応が先、SAP BI は後」で起こりうる失敗談

2027年までという明確なリミットがある以上、SAP ERP本体の入れ替えから優先して着手したいという考えはもちろん間違いではありません。
しかしSAP BIの検討を後回しにすることが果たして最良な選択かどうかは一考の余地があると思います。

例えば、基幹システムの切り替えを終えてすぐ新しくBIの導入を立て続けに行うようになった場合、ユーザである現場部門は新しい基幹システムに不慣れなうちに新たなBIの運用も行うことになります。
短期間で複数のシステムが切り替わることとなり、現場部門には負担がかかることとなります。
せっかくのシステム刷新が活かされず、かえって業務効率を悪くするという残念な失敗談にもなりかねません。

他にも、基幹システムの本稼働後支援で情報システム部門が多忙になり、その後で考えようとしていたBIの運用方法・導入効果を検証する時間が取れず、急いでツールだけを決定してしまったという例があります。
結果として社内データ分析のために導入したつもりのBIが思うように活かされず、単なる固定帳票の参照ツールとなってしまったという失敗談でした。

このような失敗は過去の経験としてお客様からよく聞くお話ですが、今回の2027年問題においても、果たしてBIを後回しにすべきかどうかもう一度優先順位を考え直したいと思えるエピソードではないでしょうか。

BIの検討を後回しにした際に起こりうる失敗談についてお話させていただきましたが、BIを先に考えることで得られるメリットについても解説していきたいと思います。

SAP BI を先に考えるメリット:参照環境を先行してユーザに提供できる

BIを導入する場合は複数の部門で活用することを想定されることが多く、利用人数も多くなるためシステム活用に関するニーズも社内から多数上がることがあります。
要望の中にはSAP ERPのライセンスを持たない現場部門でもSAP ERP内のデータをBIで参照したいという声が上がることは少なくありません。
SAP ERPのデータを連携してBI上で参照できるツールをSAP S/4HANA移行前に社内に展開することができれば、移行過渡期・移行直前直後においても同じインターフェースでSAP ERPのデータを参照できる環境が整うため、SAP S/4HANA移行による現場部門の負荷を軽減できるメリットとなります。

SAP ERPが安定して稼働しており、2年の保守延長で時間ができた今だからこそ、SAP S/4HANA移行後の将来を見据えたデータ利活用の検討に着手することは有効な手段と言えるでしょう。

SAP BI を先に考えるメリット:アドオン削減が期待できる

また、BIを先に考えるべきメリットとして参照系アドオンの削減が期待できることが挙げられます。
現行のSAP ERP導入当時やシステム運用中に増えた参照系のアドオンや帳票について、アセスメントによる棚卸を行い、BIその他外部のツールで実装できるアドオン部分をあらかじめ乗せ換えしてSAP S/4HANAの移行対象を減らす方法です。

特にブラウンフィールドと呼ばれているコンバージョン方式でのSAP S/4HANA移行を検討している場合、移行するアドオン本数が多ければ多いほど移行期間・テスト工数・作業費用などは増加します。
SAP S/4HANA移行対象アドオンを減らすことができれば、以降期間の短縮や工数・費用の削減をすることが可能となります。

SAP 2027年問題に伴うBI検討 ~2年延長をチャンスに変えよう~ まとめ

SAP ERPユーザが2027年問題について考えた場合、まずBIの導入を検討するというご提案は一見、遠回りに思えるかもしれません。
しかしSAP S/4HANA移行を効率化することにもつながる第一歩であり、2年のサポート延長を単なる猶予期間とせず、将来的なデータ利活用とビジネスの最適化を図るチャンスに変えるための選択になると考えております。

なお、先ほど述べたSAP BIを先に考えるメリットを最大限に享受するためには、移行前のSAP ECC6.0と移行後のSAP S/4HANAのデータが両方利用できる環境を用意することが必要です。

弊社のSAP BIテンプレート「BusinessSPECTRE」はSAP ECC6.0SAP S/4HANAいずれにも対応し、あらゆるレポーティングシステムに連携可能なSAP ERP専用BIプラットフォームです。
2027年問題への対応として、2年延長の時間を有効に活用するためのご相談につきましては、是非ISIDまでお声掛けください。

BusinessSPECTREご紹介ページ:https://erp.isid.co.jp/solution/sap-bi-businessspectre