SAP MM SD PP を用いたデータ分析とは?(vol.12)

2021.2.8

ERPは導入したがデータ分析などの活用ができていない、といったお悩みはどの企業でも起きている問題かと思われます。

本ブログでは、SAP ERP導入企業が、MM(購買在庫)SD(販売)PP(生産)が持つデータをもとにSAP BIでどういったデータ分析ができるのか、事例を交えながら解説をしていきます。

なぜSAP ERPを導入してもデータ活用ができないのか?

そもそもデータ活用を行うためには「誰が」、「いつ」、「何を見て」、「どういった判断を行うか」、を整理することが必要不可欠となります。
「誰が」とはデータを見る人が経営者なのか、それとも部門の管理者なのか、はたまた現場の担当者なのか、ということになります。
また、「いつ」とは見るデータが先月末時点のものか、前日のものか、それともリアルタイムなのか、といったことになります。

「誰が」、「いつ」の2点については、現状業務をもとにある程度整理ができると思われますが、「何を見て」、「どういった判断を行うか」を決めるのがデータ活用においては重要であり、難しいポイントになっていると思われます。
SAP ERPを導入されているお客様の多くは子会社を含め全社展開をされるケースが多いため、管理者と一口に言っても非常に多くのユーザーがそれぞれの立場に合わせたデータ分析を行っています。
ある企業ではEUC(End User Computing)で作成された分析レポートが3,000帳票以上あり、その保守・メンテナンスに非常に手間がかかっていることから分析レポートの集約に乗り出しましたが、どのユーザーに対して何を見せてどういった判断をしてもらうのか、全社標準的な統制の取れたレポートを作成しようにも、もととなるレポートの数が膨大であるためなかなか集約が進まない、といったお悩みを抱えておられました。

そこで、こういったケースで有効になってくるのが、他社では何を見てどういった判断を行っているのか、といった事例を参考にすることだと思われます。
今回はSAPMMSDPPのデータをもとに他社ではどういった分析を行っているか、事例を交えながら解説をしていきます。

SAP BIによるMMデータ分析事例

まずはMMについてです。
MMには購買と在庫がありますので、それぞれについてご説明していきます。

購買

購買では、購買発注実績と、発注に対する納入実績・請求実績の各金額をもとに分析を行うのが基本的な形となってきます。
これらの金額を購買組織、プラント、仕入先、品目グループごとなどで集計していきます。
例えば、月別の推移を仕入先別に比較することで、どの仕入先からの購入金額が大きいのか、価格推移がどの様になっているのか、などを分析し、購買価格の交渉材料として分析を行う、などのケースに活用ができると思われます。
また、購買の請求書照合実績をもとにした分析を行う、といったケースも考えられます。

ちなみに購買に関して言うと債務状況の分析事例も気になるところかと思いますが、こちらは別途FI(財務会計)のブログ記事にてご紹介していきたいと思います。

在庫

在庫については、現状在庫、在庫推移、および在庫受払(前残、当期入庫、当期出庫、当残)を基本的な形としてデータ分析を行うケースが多いと思われます。
各在庫の情報をプラント別といった大きな括りで見るとともに、自社在庫なのか、得意先、仕入先、積送中のどの状態にあるのか、といった在庫場所別で見ていくケースも多いです。

ちなみに現状在庫を分析するのであれば一般的にはリアルタイムのデータが不可欠となります。
どういう形でBIを構築するのかにもよりますが、多くのBIの仕組みで実現されている基幹システムとは別途でDWHを設けるような構成とする場合、BIで現状在庫を分析する、というよりはSAPの画面から直接現状在庫の確認・分析をする、といったケースを取られる会社が多いように思われます。

一方、在庫に関しては長期滞留しているような不動在庫を分析するケースも多いです。
また、在庫回転率や在庫日数をもとに不要在庫の分析を行うことも考えられます。
加えて、在庫数量だけではなく、在庫金額も含め分析を行うケースがあり、例えば棚卸差異調整の金額がある閾値を超えていないかをチェックする、といったような内部統制目的でデータを活用するケースも考えられます。

SAP BIによるSDデータ分析事例

次にSDについてです。

販売管理のデータなので、SAP ERP販売へ登録された請求実績をもとに売上高、売上原価、粗利、粗利率、といった項目をもとに分析を行う形が基本となってきます。
これらに対して製品部門、営業所、営業グループ、営業担当といった軸別に集計・分析を行うほか、得意先別の分析や品目グループ別もしくは品目別に集計・分析を行い、例えば月別の売上、利益率の推移や前年同期と組み合わせることで、売上拡大のためにどこに注力をしていくべきか、といったような販売戦略立案に活用をすることなどが可能となります。
また、実績データをもとに、金額だけではなく、受注時の納期と納入実績日を比較することで納期遵守率を分析することも可能です。

一方で受注のデータをもとに、未出荷、未請求の受注残の分析を行うといったケースも考えられます。
販売に関しても購買と同様に債権状況の分析事例が気になる方もいらっしゃるかと思いますが、こちらについても別途FI(財務会計)のブログ記事でご紹介していきたいと思います。

SAP BIによるPPデータ分析事例

最後にPPについてです。

生産管理ですので製造に関する指図、実績のデータを用いた分析が中心となりますが、特に分析に用いられるのは出来高の実績と投入の実績となります。
ある製品を製造するためにどういった品目がどれくらい使われたのか、といった分析のほか、ある原材料がどういった製品、半製品の製造にどれだけ使われたのか、といったフォワード/バックワードでの分析ニーズが多いように思われます。

一方で、生産データの分析についてはどういった製品をどのように製造しているのかといった業種業態により見たい形が変わってくるため、他社の事例を参考にしつつ、自社の特徴を捉えた効果的なデータ分析の仕組みを構築していくことが他の業務領域以上に重要になると思われます。

また、ここまで来ると製品別の原価やその原価構成要素について分析したいニーズが出てくると思われますが、こちらについては別途CO(管理会計)のブログ記事にてご紹介したいと思います。

SAP BI導入はじめの一歩

今回はSAP BIのデータ分析について、MMSDPPに焦点を当てて分析事例をご紹介してきました。
こちらのブログでは、経営層や経理部門の方が気になるFI(財務会計)CO(管理会計)の分析事例についてご紹介しております。

さて、今回ご紹介してきた分析事例ですが、ISIDが提供しているBusinessSPECTREではその大半がすでにテンプレートとしてご用意されております。
テンプレートではSAPのデータ連携処理から各種分析レポートまでが一通りそろっており、すぐに自社データをもとにした分析レポートを見ることが可能となっています。
今回ご紹介した購買、在庫、販売、生産のほか、PL/BSや債権債務レポートといった経理の方がよく利用されるようなレポートも一通り揃っておりますので、ご興味をお持ちいただけましたらぜひ一度お問い合わせください。

BusinessSPECTREご紹介ページ:https://erp.isid.co.jp/solution/sap-bi-businessspectre