SAP BW とは? 意外と知らないBWの基礎知識(vol.19)

2021.3.16

SAP S/4HANAシステム移行を検討されているお客様に「意外と知らないSAP BWの基礎知識」をご紹介いたします。
実は、日々当たり前のように利用/管理しているSAP BWには意外な落とし穴があります。
その落とし穴を正しく理解したうえで、”SAP BWをSAP BW/4HANAへ移行する際には何を検討すべきなのか?”解説します。

SAP BW とは? BWの保守期間終了は2027年の前にやってくるのです

実は、SAP BWの保守終了期間は2027年の前にやってくるのです。
衝撃的な事実ですね、皆さんご存知でしたか?

SAP ECC6.0のメインストリームサポート終了は2027年に延長されたのに、これではSAPシステム全体としては利用できないのでは?と不安になってしまいますね。

少々驚かせてしまいましたが、詳しく解説すると以下の通りとなります。

  • BW7.5より前のバージョン(7.3や7.4等)は2020年12月末で保守期間終了
  • BW7.5は2027年12月31日に保守期間終了

実は、自社で利用されているSAP BWのバージョンをご存じないお客様が意外と多く、SAP BWのバージョンが7.5以上になっていないケースがよく見受けられます。
是非ここでSAP BWのバージョンをご確認ください。

SAP BWバージョンの確認方法を以下に解説します。

1.SAP GUIにログイン

2.システム(Y)をクリック

 

3.ステータス(A)をクリック

4.詳細(虫眼鏡アイコン)をクリック

5.インストール済SWコンポーネントバージョンタブを開き、コンポーネント列がSAP_BWの「リリース項目」を確認

上記サンプルの場合はSAP BW のバージョンは7.55となります。

ではSAP BWのバージョンが7.5未満だった企業、すなわち保守期間がすでに終了している場合はどうすればよいのか?
答えは以下の二つを早急に検討するしかありません。

  1. SAP BW7.5へのバージョンアップ
  2. SAP BWの他BIシステムリプレース

現実的には、保守を委託しているSAPベンダーに相談して1. SAP BW7.5へのバージョンアップの見積取得からスタートすることになるでしょう。
ここでSAP BWバージョン7.5以上であれば以下のメリットが受けられます。

  • 2027年12月31日までSAP BWを利用継続可能
  • いつでもSAP BW/4HANAに移行可能

SAP BWとは? SAP S/4HANAに移行するとBWは使えなくなるのです

実は、SAP S/4HANAに移行するとSAP BWは使えなくなるのです。
これも衝撃的な事実ですね!

「苦労して予算を確保しせっかくSAP BWを7.5にバージョンアップしたのに、SAP S/4HANAに移行するとSAP BWが使えなくなってしまう」
これでは困ってしまいますね。

ここでも少々驚かせてしまいましたが、詳しく解説すると以下の通りとなります。

  • 既存SAP BWのETLおよびDWH機能はSAP BW/4HANAへ移行可能
  • しかし、SAP BWのレポート&分析標準ツールであるBusiness Explorer(以下BEx)
    はSAP BW/4HANAでは機能が無くなってしまうため移行不可能

この事実は、すなわち

  • 現行の業務で利用・管理しているBExによるBIシステムはSAP BW/4HANA移行時に
    BusinessObject(以下BO)等の将来的にも利用が可能なBIシステムで再構築する必要がある

ということなのです!


そしてこれは、SAP BWを利用しているすべての企業に該当します。
SAP BW利用企業はSAP S/4HANA移行時、新規にBIシステムも同時に検討し、導入・構築しなくてはならないのです。

ここでもう一つの衝撃の事実をお知らせします。

  • SAP BW/4HANAの最新バージョンである2.0は、2024年12月31日にサポート期間終了となる

こうなると、BW利用企業は2027年までECC6.0を使い続けたほうが良い気がしてきます。 

SAP BWとは? BWを止めてもライセンス保守コストは安くならないのです

では、いっそのこと、SAP BWの利用を止め、削減できた保守コストを原資にして、他のBIシステムを導入できるのでは?と考えたくなります。
実はここにも落とし穴があるのです。

実は、SAP BW利用を止めてもBW保守部分の解約はできません。
要はSAP BWの保守コストはSAP ERP本体の保守コストに含まれているため、利用を止めても保守コストは削減できないのです。

しかし、SAP BW利用を止めることによって、削減できるコストがあることも事実です。
SAP BWを運用する中で、膨らみがちなコスト要因を以下に解説します。

 ◆SAP BWを稼働させるハードウェアコスト
  ・SAP BWはROLAPという集計用のデータベース構造を採用しているため、
   ハードウェアリソースを潤沢に用意する必要があり、コスト増の要因となり得る。

  ・SAP BW/4HANAはインメモリデータベースを採用しているため、
   ハードウェアリソースを潤沢に用意する必要があり、コスト増の要因となり得る。

 ◆BWの運用・改修コスト
  ・ABAPというSAP専用の開発言語を用いているため、
   自企業のみで運用リソース確保が難しく外部委託するケースが多い。
   よってバージョンアップやシステム改修のコスト増の要因となり得る。

これらのコスト削減を実現できる方法があれば、ライセンス・保守・運用コストをトータルで考えて、BWを他のBIシステムにリプレースする実現性も出てきます。 

まとめ BWを取り巻く状況を理解した今、次に何を考えるべきなのでしょうか?

「 SAP BWとは? 意外と知らないBWの基礎知識」を読んでくださった方にお勧めするSAP BW/4HANA移行検討の進め方を以下にまとめます。

1.自社のSAP BWのバージョン調査

2.a)SAP BWのバージョンが7.5未満の場合
  ・保守を委託しているSAPベンダーに相談してSAP BWバージョンアップの見積取得
  ・SAP BW維持に関わるコスト(ハードウェア、運用・改修等)を算出

  b)SAP BWのバージョンが7.5以上の場合
  ・SAP BW維持に関わるコスト(ハードウェア、運用・改修等)を算出

この時点で、今後SAP BWを運用・改修するためのコストベースが算出されます。
次に考えなくてはならないことが以下コストです。

3.BW/4HANAに移行するコストの算出
  ・ハードウェアリソースの追加コストを算出
  ・BWをBW/4HANAに移行する作業コストを算出
  ・BO等の新規BIシステム構築コストおよび“利用人数分”のライセンスコストを算出

前述のとおりBWライセンスはSAP ERP本体のライセンス契約に含まれていたため、BW利用人数はSAP ERPのライセンス数分獲得できていました。
しかし、BO等を新規導入する場合は、改めてBIシステム利用人数を算出し、ライセンス購入数を決める必要があります。

そして最後にあげられるのが

4.BWのリプレース検討

です。
上記2.3.の過程で算出したコストを基に、他のシステム導入コストを比較しながら、適切なBW移行検討が行えるのです。

ここで、ひとつ耳寄りな情報をお伝えします。
弊社が開発・販売する「SAP BIテンプレート BusinessSPECTRE」はあらゆるレポーティングシステムにSAPデータを連携可能にする製品です。
BusinessSPECTREは以下メリットをSAPユーザーに提供します。
 ・SAP ECC6.0およびSAP S/4HANAともに同一データベースでの接続を実現。
  SAP S/4HANA移行前でも構築・参照可能
 ・もちろんSAP ECC6.0で参照した帳票類やデータ資産は
  SAP S/4HANA移行後もそのまま参照可能
 ・サーバーライセンス体系のため、利用人数が増えても追加ユーザーコストは発生せず
 ・MS SQL Serverをベースとしたシステムであるため、
  軽量且つ扱いやすいシステム構築を実現

この「BusinessSPECTRE」によって、SAP S/4HANA移行前でもBWリプレースを容易に実現し、BWユーザーを次の心配からも解放します。
 ◆BW保守期限の心配
 ◆SAP S/4HANA移行時に必要なBExリプレースの心配(要件定義工数などの負担)
 ◆利用人数分の新規BIライセンスコスト増やインメモリ化によるハードウェアコスト増の心配

なお「BusinessSPECTRE」の詳細を知りたい方は、以下、弊社Webサイトを参照ください。
 BusinessSPECTREご紹介ページ:https://erp.isid.co.jp/solution/sap-bi-businessspectre

またBWに関する、より詳細な情報は以下URLの資料をダウンロードください。
・e-book「SAP BW完全ガイド~ “これまで” と “これから” のBWの全てが分かる ~」
 URL:https://inv.isid.co.jp/lp/ebook/bw_businessspectre

SAP BWリプレースのことでお困りの際は、ぜひ電通国際情報サービスにご相談ください。
※当ブログ記事の内容は2021年3月24日時点での情報を基にしております。