SAP 移行 で検証すべきアセスメントとは?(vol.23)

2021.4.13

SAP ECC6.0のメインストリームサポート終了を2027年に控え、情報システム部門の担当者は、SAP移行アセスメントについて情報収集やベンダーへのご相談をされていることかと思います。

アセスメントとは、SAP S/4HANA移行に向けて現行のSAP ERPで使用している機能の棚卸を行い、移行する際に置き換える必要がある機能や修正が必要な機能や既存データの特定を行う調査作業です。
アセスメントを既に実施されたという方もいると思いますが、中には「アセスメントは実行せず、SAP S/4HANA移行をすぐに開始した方がよいのではないか」というご意見もあるでしょう。
また簡易アセスメントは実施したものの、結局その後のSAP S/4HANA移行プロジェクトの計画はなかなか立てられていないという声もお聞きします。
そもそもアセスメントは必要なのか、実施する場合、自社にとってどのようなアセスメントをどのタイミングで実施することがよいのか、疑問点は膨らむばかりです。

本ブログでは、実際に弊社にご相談いただいた事例もふまえ、SAP S/4HANA移行で検証すべきアセスメントについて解説いたします。 

そもそも SAP 移行 の前にアセスメントは実施すべきなのか?

アセスメントを実施せずにとりあえずSAP S/4HANA移行プロジェクトの費用感を把握したいので見積が欲しい、というご依頼をいただくことがあります。
また、アセスメントに費用も時間もかけるのであれば、SAP S/4HANA移行プロジェクトに早々に着手してしまいたいというお考えの方もいます。

このような依頼に基づき、アセスメントを未実施のままSAP S/4HANAの移行プロジェクトの費用や期間について見積りしプロジェクトに着手する場合、どのような問題やリスクがあるでしょうか。

第一に、現行システムの情報の不足による見積価格の高騰、見積漏れが挙げられます。
アセスメントを実施しないということは、現行システムの状態はヒアリングを基にすることになります。
ヒアリング結果に不明確な情報や古い情報が存在する場合、工数や期間についてリスクを上積みした算出となります。
結果、概算というにも大まか過ぎる費用や作業スケジュールでの提示となり、費用感を把握したいという当初の目的にも叶わない見積結果となります。

第二に、移行プロジェクトを計画通りに推進できないリスクが挙げられます。
アセスメントをせずSAP S/4HANA移行プロジェクトに着手した場合、移行対象を把握できていないために、作業途中で想定外の追加作業が発生する可能性があります。もしくは当初の見積に本来は必要でなかった作業が含まれていることもあるでしょう。計画修正による手戻りや追加費用の発生、本稼働の遅延が起こるリスクは否定できません。

アセスメントを実施することで現行システムについて正確な情報を把握することが可能となり、SAP S/4HANA移行について根拠ある見積算出を行うことができるようになります。
SAP S/4HANA移行プロジェクトを効率的に、トラブルなく計画通りに進める手段として、アセスメントは実施すべきであると考えます。

アセスメントで検証すべきポイントとは?

アセスメントと一口に言ってもその内容は各社のSAP S/4HANA移行についての考え方や検討のステータスにより異なります。

例えば実際に弊社にご相談いただいたアセスメントのご依頼については以下のようなものがあります。

  1. SAP S/4HANAへの移行を決定しかねており、移行の可否を決めるための判断材料としてアセスメントを実施したい
  2. SAP S/4HANAへ移行することは決定しているが移行方式(グリーンフィールド・ブラウンフィールド・選択的データ移行)についてどれが適切か判断するため、現行システムの現状を把握したい
  3. ブラウンフィールドでの移行をする方針は決定しているため、後続のコンバージョンプロジェクトについて必要な作業を計画したい

上記の三つの事例について、同じアセスメントとしての依頼ではありますが、ゴールが異なるため、アセスメントの調査事項・調査レポートは異なる内容となります。

弊社でアセスメントをお引き受けする場合はSAP S/4HANA移行に関してお客様がどのような計画を持っているか、アセスメントの目的を事前に共有いただき、アセスメントの結果をどのように使用したいか詳しくお打ち合わせをした上でご提案させていただいております。

例えば弊社では以下のような図を用いてお客様とお打ち合わせし、適切なアセスメントのレベルを設定させていただきます。

SAP 移行 プロジェクトの一歩としてのアセスメント

アセスメントレベルにより得られる情報の違いは、後続のSAP S/4HANA移行プロジェクトの計画策定の違いにつながります。
レベルの高いアセスメントをおこなう場合、期間と費用はその分必要になりますが、移行プロジェクトではアセスメントで判明している情報が多い分スムーズに進めることが可能となるでしょう。

逆に、簡易なアセスメントにより本番移行に必要な情報は別途調査とした場合などは後続の費用・期間には一部概算が含まれるためSAP S/4HANA移行本番前にもう一度詳細なアセスメントを実施するか、要件定義に現行システムの調査を含めるなどの対応が必要になります。

そのように考えると、アセスメントは単なる現行システムの調査ではなくSAP S/4HANA移行プロジェクトの第一歩と位置付けることもできると考えられます。 

SAP 移行 で検証すべきアセスメントとは? まとめ

アセスメントの実施についてはその目的や今後の計画について十分な検証の上で実施することが大切です。
適切なアセスメントを実行することで現在のSAP ERPの情報と、SAP S/4HANAへ移行する際にすべきことが明確になり、その後のSAP S/4HANA移行プロジェクトを成功させるための最適な計画と道筋が見えてきます。

なお、弊社ではSAPパートナー・パッケージ・ソリューションの承認を取得している「SAP S/4HANA移行トータル支援サービス」をご提供しております。
SAP S/4HANAへの確実な移行を支援するサービスとなり、アセスメントから移行本番までのプロジェクトについてワンストップでご支援させていただきます。
SAP S/4HANA移行のお悩みの際は、是非とも弊社にお声がけください。

SAP S/4HANA移行トータル支援サービス:https://erp.isid.co.jp/solution/sap-s4hana-assessment