SAPとSalesforce(セールスフォース)を連携させるには?(vol.72)

2022.5.30

ERPシステムのデファクトスタンダードと言えるSAP ERPと、SFA/CRMシステムの代表製品であるSalesforce(セールスフォース)。両方のソリューションを導入している企業は数多く存在しますが、2つのソリューションを連携して活用している企業は意外に多くないのではないでしょうか?
また、仮にシステム連携していても、バッチ連携がほとんどであり、リアルタイム連携を実現している企業はかなり限られるのではないでしょうか?

そこで本ブログでは、SAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携する障壁は何なのか、リアルタイム連携するにはどのような方法があるのか、解説します。

*本ブログの「SAP ERP」は、「SAP ERP」および「SAP S/4HANA」を指します。

SAPとSalesforce システム連携の理想形とは?

SAP ERPとSalesforceが連携されていない場合、例えば、Salesforceで作成した見積情報を再度SAP ERPへ入力しなければならない等の二重入力が発生してしまいます。バッチ連携されていれば二重入力の必要はなくなりますが、リアルタイム連携されていれば次のような更なるメリットが享受できます。

SAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携するメリット

  • SalesforceからSAP ERPにある最新の在庫情報や価格情報が参照できる。
  • Salesforceで作成した見積や受注情報をそのままSAP ERPに反映できる。
  • 購買の際、Salesforceで実行した見積→購買発注→商品受入がSAP ERPに連携され、スムーズに会計処理される。
  • アフターサービスにおいて、サービス部品の在庫管理や納入品の構成情報をSalesforceからリアルタイムで参照可能。
  • SAP ERPとSalesforceの役割を最適化することで、ライセンスの重複を防ぎ、ライセンスコストの削減につながる場合がある。

【SAP ERPとSalesforceのリアルタイム連携イメージ】

SAPとSalesforceをシステム連携する際の障壁

前章で述べたようなメリットを享受できるにも関わらず、SAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携して活用できている企業は多くないのでしょうか?それは次のような理由が考えられます。

SAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携する際の障壁

  1. 異なる主幹部門
    まずはじめに考えられる障壁は、それぞれのシステムの主管部門が異なることに起因するコンフリクトです。例えば、SAP ERPは経理部門が、Salesforceは営業部門が主管の場合、部門横断の社内調整が必要となります。また、両部門の要件が必ずしも一致するわけでもなく、プロジェクトの発足自体が困難となります。
  2. 異なる導入/保守ベンダー
    次に考えられる障壁は、それぞれのシステムの導入/保守ベンダーが異なることに起因するノウハウ不足です。SAP ERPとSalesforceの両ソリューションを手掛けているベンダーは限られており、別々のベンダーが導入しているというケースがほとんどです。両方のソリューションを手掛けているベンダーも何社かは存在しますが、対応している組織が分かれているなどの理由からベンダー内でノウハウが点在している場合もあります。そのため、導入/保守ベンダーに相談しても、どちらのソリューションにも精通しているということは少なく、ユーザ企業にとって最適な解が得られないというケースが発生します。
  3. アーキテクチャの障壁
    最後に考えられる障壁は、システム連携ツールなどに起因するアーキテクチャ(システム構造上)の問題です。システム連携方式として既存のETL/EAIツールを使用せざるを得ないということは多分に想定されますが、そのシステムがバッチ連携しか想定していないようなものであった場合や、テンプレートなどの開発フレームワークが十分ではない場合は、リアルタイム連携の実現は難しくなります。

SAPとSalesforceのシステム連携ソリューション

では、SAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携するには、一体どうすればよいのでしょうか?
次に、SAP ERPとSalesforceのリアルタイム連携を実現するソリューションをご紹介します。

Overcast

Overcastは、Vigience社の提供するSalesforceネイティブのクラウド型の連携サービスです。
Salesforceのアーキテクチャーで構築されており、すべてのUI、DBのテーブル、ログ等がSalesforce上で提供されます。SAP ERPとSalesforceの連携テンプレートが用意されており、少ない開発工数で連携機能の実装が可能です。
※参照元サイト(Vigience社公式サイト https://www.vigience.jp/

MuleSoft

MuleSoftは、あらゆるアプリケーションを統合するプラットフォームを提供可能であり、SAP社に認定された様々なコネクターを備えているため、Salesforceとのリアルタイム連携を実現します。
APIを階層構造で配置し、共通機能を再利用することで、少ない開発工数で連携を実装可能なため、大規模システムの連携基盤に向いています。
※参照元サイト(MuleSoft社公式サイト https://www.mulesoft.com/jp/

Salesforce Platform

Salesforce Platformは、Salesforce.com社が提供する開発基盤(PaaS)です。
APIやツールを利用し、SAP ERPをはじめとする基幹システムとの連携が可能となります。統合的な開発基盤のため、連携だけにとどまらず、様々なシステムを構築可能です。
※参照元サイト(Salesforce社公式サイト https://www.Salesforce.com/jp/products/platform/overview/

BTP(BusinessTechnologyPlatform)

BTPは、SAP社が提供する開発基盤(PaaS)です。APIやツールを利用し、SAPや他システムとの連携が可能となります。こちらも統合的な開発基盤のため、連携だけにとどまらず、様々なシステムを構築可能です。
※参照元サイト(SAP社公式サイト https://www.sap.com/japan/products/business-technology-platform.html

CData

SAP ERPをOData API化する=SAPデータを外部オブジェクトとすることで、Salesforceの標準オブジェクトと同感覚で使用することが可能となります。
※参照元サイト(CData Software社公式サイト https://www.cdata.com/jp

まとめ

さて、ここまでSAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携する障壁や、リアルタイム連携するにはどのような方法があるのかを解説して参りました。SAP ERPとSalesforceをリアルタイム連携するためのソリューションは存在しますが、「SAP ERPとSalesforceとリアルタイム連携ソリューションのすべてに精通しているベンダーが少ない」というのが、最大の障壁ではないかと思います。

もし、SAP ERPとSalesforceのリアルタイム連携をご検討の場合は、SAP社やSalesforce.com社、もしくは導入/保守ベンダーにご相談してみてはいかがでしょうか?
もちろん、弊社ISIDへのお問い合わせも大歓迎です。弊社ISIDは、SAP ERPとSalesforceの導入/保守を同一の組織で取り組んでいるため、お客さまのニーズに合ったシステム連携ソリューションのご提案が可能です。是非、気軽にお声掛けください。

※弊社参考サイト
 https://erp.isid.co.jp
 https://www.isid.co.jp/solution/salesforcecom.html

本ブログは、2022年4月30日時点の情報を基に作成しています。製品・サービスに関する詳しいお問い合わせは、ISIDのWebサイトからお問い合わせください。
お問い合わせページ:https://erp.isid.co.jp/inquiry/